会社を売ると、手元にいくら残るのか
売れば、残るのは現金だけ。売らなければ、毎年の報酬と、会社そのものが残ります。数字を自分のものに入れ替えて比べてください。
これまでの答え合わせ
会社と、社長の取り分
これからの前提
答え
いま売って手元に残る金額は、その約3.7倍。同じペースで貯めるなら37年かかります。
つまり会社は、報酬37年分にあたる資産、という見方もできます。ただし現金ではありません。
ここに出る金額はすべて概算です。一般的な条件で計算しているだけで、税金は事情によって変わります。当社は税理士ではないため、税額を確定させることはできません。実際の金額は、必ず顧問税理士にご確認ください。
売った場合 金額は確定
いま売る場合は、交渉がまとまった時点で金額が確定する性質のお金です。上の金額はその目安です。受け取ったあとは、事業の調子に左右されません。売却価格 1億4,000万円 から、税金の概算を引いています。
売らなかった場合 金額は変動
3年後にいくらで売れるかも不明です(業績・市場環境・相手しだい)。仮の計算は下の表へ
売らない側の売却価格は、いまは決められません。売れない可能性もあります。
いまの利益水準なら、買い手は見つかりやすい傾向です。
いま売る選択は、確定した現金(目安 1億2,700万円)を受け取る方向です。売らない場合に確定するのは現金 2,200万円 で、会社のぶんは「3年後にいくらで売れるかは不明」という可能性のまま持ち続けます。確実さを重視するならいま売る方に分があり、可能性を取るならそのリスクも自分で持つ、という構図になりやすいです。
仮に利益がこう動いたら(参考計算)
| この先の利益 | 倍率 | 3年後の売却価格(仮の計算) | 売れれば手取り | いま売るのと比べて |
|---|
いま売った場合の手取りの目安は 1億1,200万円。上は「もし利益がこう動いたら」という仮定を置いた参考計算で、実際にいくらで売れるかは業績・市場環境・相手によって変わります
譲渡した場合と、しない場合
| 売却した場合 | 項目 | 売却しない場合 |
|---|---|---|
| ◯ | まとまった現金が確定する | × |
| △ | 経営の自由売却後は株主が変わり、下がりやすい | ◯ |
| △ | 毎年の報酬・経費の取り分売却後も、残って働く間は報酬が続く | ◯ |
| ◯ | 事業を伸ばす資本・販路・人材買い手の力を使える/しない場合は自分の範囲まで | △ |
| △ | 時間の自由引き継ぎを終えて離れれば◯。残る間は仕事が続く | × |
| ◯ | 業績・市場のリスクから離れるしない場合は負い続ける | × |
| × | 会社が伸びたときの果実売却後は基本、買い手のもの | ◯ |
| × | 将来もっと高く売れる可能性伸びれば、の話。確実ではありません | △ |
| ◯ | 将来売れなくなる可能性売れば以後は関係なし/続ける場合、売却価格が付くのは買い手がいる間だけ | × |
| △ | 社員の基盤売却は相手しだい/しない場合は自社の業績しだい | △ |
| ◯ | 後継者問題の解決しない場合は残ったまま | × |
◯=得られやすい △=条件・相手しだい ×=得にくい(一般的な傾向です)。譲渡後に残るか離れるかでも変わります。多くの場合、まず「残る」で始まり、引き継ぎを終えて「離れる」へ移ります。どの項目を重く見るかの整理が、下の10個の質問です。
この計算の中身
お金以外のこと
お金だけでは決まりません。13個に答えてください。いま答えられないものは「まだわからない」で構いません。
あなたの答え
最大の非合理は、決めないことです。「様子を見る」は、選択に見えて、「財産のほとんどを1社に置き続ける」を毎年黙って選び直しているのと同じです。年に一度、この質問に答え直すことをおすすめします。
まとめ:あなたの個人資産はどうなるか
ここに出た将来の数字は、すべて「いまの前提が続いたら」というシミュレーションです。実際の金額・税額は、顧問税理士と個別にご確認ください。
この結果をもとに無料相談する読むときの注意
売ると・売らないと、何が起きるか(一覧)
売ると手に入るもの
- まとまった現金。事業の調子に左右されない、確定した資産になります
- 事業がさらに伸びる可能性。自分の資本・人脈では届かなかった売り先・仕入れ・人材に、買い手の力で手が届きます
- 借入の個人保証・担保から外れられます。中小企業の売却では、これが一番大きい実利になることも多いです
- 社員に安定を渡せます。大きな会社の傘に入り、待遇が上がることもあります
- 「売り続けなければ」というプレッシャーから解放されます
- 時間ができます。新しい事業にも、仕事以外の人生にも使えます
- 後継者の問題が解決します。継ぐ人がいなくても、会社は続きます
- 財産が「自社の株がほとんど」という状態から、現金に変えて手元に移せます
売ると起きうること・リスク
- 株主が変わり、経営の決め方に相手の意向が入ります。今までの自由さはなくなります
- 相手が、自分の望まない経営をすることがあります。人を切る、ブランドを変える、拠点を移す。ここが一番のバッドケースで、契約と相手選びでケアするしかありません
- 引き継ぎで数年残る義務(ロックアップ)が付くのが普通です
- 同じ事業を数年やれない義務(競業避止)も付くのが普通です。「売った後にまた同じ商売を」はできません
- 売った後も、売る前の説明に誤りがあれば責任を問われることがあります(表明保証)
- 検討中に話が漏れると、社員・取引先・銀行との信用に関わります
- 文化の違いで社員が辞めたり、取引先との条件が変わることがあります
- やりがいを失う人は実際にいます。売った後に何をするかが空っぽだと、後悔につながります
売らないと続くこと
- 単独成長です。今の体制のまま、自分の力で伸ばし、生き残っていく道です
- 売却価格は、売れなければ使えません。利益が落ちれば買い手はいなくなり、売却価格が付くのは買いたい人がいるあいだだけです
- 個人保証・市場の変化・自分の体力。ぜんぶ自分で受け続けます。財産も自社の株にかたよったままです
計算そのものの限界
- 買い手が、貯まった現金を満額で評価するとは限りません。事業に必要な分を超えるお金の扱いは交渉になります
- 売却価格の決め方は決まったルールではありません。伸びている会社は利益の4〜5年分、下がっていれば2年分以下になることもあります